国際協力

皆様から寄せられた「緑の募金」は国内のみならず、海外での森づくり・人づくりにも活用させていただいて おります。 ここではその一部をご紹介します。

アフリカグリーンベルト造成事業

国際緑化の活動として、アフリカ・サヘル地域の砂漠化の防止や、人々の安定した生活の為に活動する団体 「サヘルの森」を支援しました。

サヘルの森とは

アフリカにあるサヘル地域の人々の安定した生活の為 に活動する団体です。
サヘル地域は、半乾燥地で水が少ないことから、サバ ンナと呼ばれる木の少ない疎林状態となっています。 もともと森林が少ない上に、干ばつや伐採により、森 林の減少や土地の荒廃が広がり、砂漠化が進行してい ました。
「サヘルの森」はその砂漠化を防止し、そこに住む人 々が安定した生活を送れるようにすることを目的とし 活動しています。

特定非営利活動法人 サヘルの森
〒194-0013
京都府町田市原町田 1-2-3-403 (株)エコプラン内

サヘル地域について

今でこそ、疎林状態にあるサヘル地域ですが、元々は資材や野生果樹、樹木野菜、堆肥用の落ち葉確保など、 様々なことに利用がされていた場所でした。しかし、都市経済の発展、人口の増加等による建築材や燃料材の 需要増加で、森林は急速失われていきました。
さらに、伐採後の耕作地拡大や家畜放牧、表土流亡などにより、土地は荒れ、森林の再生が困難になっている 場所が増え続け、住民が自分で使う樹木を育てるにも、支援が必要な状態となっていました。

グリーンベルト造成事業

サヘルの森はその状況を脱却すべく、樹木を植えて「みどり」で形成された帯をつくる、グリーンベルト造成 事業を行いました。
サヘル地域のグリーンベルトは、日本の海岸砂防林のような密生状態の森林ではなく、多くの地域や村で、点 状の樹林を育て、それらを集め緑の帯を形成することをイメージしています。その為、この事業の活動は点と なる苗を育てることから始まります。

平成18年度の活動では、アフリカのゴッシ地域の村にて、村の住民や近くにある小学校の子供たちと苗木を育 てる活動を行いました。育った苗木は、セグー州・トミニアン周辺の村や学校、クリコロ州・バマコ北部のコ ロカニ周辺の農業地帯で配布、植樹され、今ではグリーンベルトをつくる緑の点の一つとなっています。植樹 した木が育ちその一部を伐採利用する仕組みが確立すれば、天然林の減少は小さくなり、回復する可能性も高 くなります。

グリーンベルト造成事業の当初の植樹地・トンブクトゥ州のティンナイシャ村では、その仕組みが確立し、天 然林の減少も実現しつつあります。多くの村でそれが実現されることになれば、サヘル地域の緑をよみがえら せることも夢ではないと私たちは考えています。

その他の植樹促進活動

サヘルの森は、苗木の配布と併せて、乾燥地の植樹に関する研究活動も行っています。前年度に苗木を配布し た地域での育成状況の確認や、固結した土地での植樹実験(苗木規格、家畜防護柵、土壌改善等)を行い、そ こで得たデータは乾燥地の植樹促進に役立たせています。
さらに多くの村々に緑の点を増やし、サヘル地域に緑がよみがえるよう、私たちも協力していきたいと考えて います。

実績報告とりまとめ表

実施時期 18年 5-6月 18年 11-12月 19年 1-2月 備考
作業内容 植付
本数
200本(2) 200本(4) 200本(2) 400本 樹種
・アルビダ
・プロソピス
・ニーム 他
苗木
配布
900本
(1)(2)(3)
200本(2) 1300本
苗木
育成
2350本(5) 200本(2) 2550本
参加者数 450人 100人 250人 800人
実施場所 (1)セグー州トミニアンとその周辺村
(2)トンプクトゥ州ゴッシとその周辺村
(3)クリコロ州バマコ北部農村
(4)セグー州デウラ町ほか5ヵ村
(5)バマコ・バコディコロニ

アフガニスタン復興支援植樹事業

発展途上国の人々の精神的・経済的な自立を目指す日本国債民間協力会(NICCO)のアフガニスタン復興支援 植樹事業を支援しました。

日本国債民間協力会(NICCO)とは

NICCOは発展途上国の人々の自立した生活の確立を目 指し活動する団体です。
「パーマカルチャー」という、いつまでも持続できる 環境をつくるためのデザイン手法を導入し、現地の伝 統的な文化を尊重しながら、住民の生活改善や向上に 結び付く緑化推進と農業の育成・指導の展開、住民の 精神的・経済的な自立の為の支援活動を行っています。

公益社団法人 日本国際民間協力会(NICCO)
〒604-8217
京都市中京区六角通新町西入西六角町101

ヘラート州について

事業地のあるアフガニスタン北西部のヘラート州は乾燥地帯に属しますが、以前は森林におおわれ、農業も盛 んな地域でした。
しかし、20年続いた内戦と干ばつにより、多くの森林が破壊されました。また、地下水を利用した水利施設も 戦乱中は管理がされず、水質が悪化してしまったために、今や、農業や植樹に使用する水はおろか、生活用水 も満足にない地域が多くなってしまいました。

アフガニスタン復興支援植樹事業

NICCOは解決策として、「アフガニスタン復興支援植樹事業」を立案し、水利施設の修築や建築、果樹の苗木 の配布や植樹を行い、村人が苗木を育てることにより地域の緑化と収入の増加を同時に達成できる仕組みをつ くりました。
果樹が成長すれば、風害・乾燥から生活空間を保護することができ、果実が生れば、そこから栄養や収入を得 ることができます。また、アフガニスタンでは昔から緑を尊び愛でる文化が根付いている為、木の成長と共に 人々は精神的安らぎも得ることができるようになりました。
また、この事業には、戦乱と干ばつで失われた伝統的な緑ある暮らしを、住民自らの手によって再生するとい う長期的効果も期待されています。

仕組みを確立するために

NICCOは仕組みを確立をするため、過去5年にわたり、ヘラート市北部のホジャ・サルボール村をはじめとす る周辺の15村において植樹を実施しました。
まず村の水利施設を整備し、その上でヘラート大学農学部大学の協力を経て、果樹の苗木や種の配布を行いま した。配布された苗木は村人の私有地に植えてもらい、同大学専門家による技術指導を行いながら苗木の育成 を行っています。
配布される苗木には現地の気候に適し、現金収入に繋がるアプリコットやアーモンド等を採用しました。住民 は自らの現金収入に繋がることから、苗木を大切に育てており、現在では7割から9割の苗木がきちんと根付き 成長しています。
また、条件の良い村では、村に苗床をつくり、苗木を育てて新たな家庭に配布したり、市内で販売するという 取り組みも始まっています。
これらの取り組みには、苗木から収穫物が得られるようになる数年後に、収穫物を国内市場で販売することで、 農家の現金収入が増加し、貧困削減に大きく役立つということも期待されています。

苗木提供に役立つ「苗バンク」制度

現在、苗木の配布においては「苗バンク」制度を採っ ています。
これは、ヘラート大学農学部から無償提供された苗木 の代金を「借入」とし、村人が収穫物を販売して得た 利益から農学部へ返済するという制度で、2004年から 始まりました。
その後、大学は返済された代金で新たな苗木を購入し、 また配布するという流れになっています。

NICCOの事業自体は2007年9月で完了しました。
しかし、私たちは以後もモニタリングを実施し、村人たちが緑化と生活改善を続けていくことができるよう、 可能な支援を行っていきます。

実績報告とりまとめ表

実施時期 19年 2月 19年 8月 備考
作業内容 植付
面積
21.48ha 2.6ha 24.08ha 樹種
・アプリコット
・アーモンド
・ピスタチオ
・サフラン
植付
本数
20650本
+100kg
5200kg 1300本
参加者数 2646人
(441家族)
318人
(52家族)
2964人
(493家族)
実施場所 ・アフガニスタン
・ヘラート州エンジル郡内
・ゴザレ郡内の村々、ヘラート市内 他
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