

日中緑化交流基金では、一般の助成事業による森林造成とは別に、日中緑化協力記念林(以下、記念林という。)の造成を行ってきました。この記念林は、日中民間緑化協力委員会の設置、即ち、日中民間緑化協力委員会資金制度の発足を記念するいわばシンボルであり、日中緑化交流基金と本事業の中国側カウンターパートである中国緑化基金会と共同し造成したものです。
記念林は、北京市の市街地から高速道路を利用しおよそ40分程度の遙かに万里の長城を望む北京市昌平区南口鎮に位置し、全体面積は60ha、現地の環境に合わせ荒廃山地の復旧や地域農民の生活環境保全に適した森林造成を行っています。
記念林は、中心地区、生態林地区、経済林地区の3つに区分、中心地区には、記念碑が建立されています。
この記念碑の日本語の碑文には、
「日中両国は、1998年11月、江沢民中国国家主席が日本を正式訪問期間中、植樹、緑化に関する協力を強化することにつき一致を見、1997年7月、小渕恵三日本国総理大臣が中国を正式訪問された際に、日本政府から100億円を出資し、日中植樹、緑化協力に資する基金を設立することを提案された。」こと、
「日中両国政府は1999年11月に交換公文に署名し、日中民間緑化協力委員会及び日中緑化交流基金を設立し、日中両国の国民が行っている植樹、緑化協力に対する政策的、技術的指導を行うとともに、関係協力プロジェクトに資金援助を提供することを決めた。」こと、
「日中両国は一衣帯水であり、お互いに近接している。双方が植樹、緑化に関する協力を強化することは、両国と両国の国民のために幸福をもたらすためだけでなく、アジア太平洋地域、ないし全世界における生態環境保全事業のために、積極的に貢献することにもなる。」こと
などが記されています。
この記念林においては、平成12年10月8日、日中双方の要人を始め多くの参加者を得て、日中民間緑化協力委員会と日中緑化交流基金の船出にふさわしい盛大な式典が挙行されました。
これまでに日中緑化協力記念林の整備はほぼ終了し、造成目的にふさわしい記念林となっています。現在、この記念林は、記念碑周辺を中心に記念植樹や青少年体験活動の場として活用されています。