日中緑化交流基金
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10年間の成果
  
日中民間緑化協力委員会資金事業の10年間の成果について

 

平成23年5月


  日中緑化交流基金が日中民間緑化協力委員会資金事業を開始して以来10年を経過しました。この10年間の植林緑化事業の動向について概略ご説明します。

1.プロジェクト数、助成金額、実施省、総助成金額
  先ず、事業開始年度である平成12年度の植林緑化事業は23プロジェクト、助成金額1億6800万円でスタートし、以後の3カ年間は逐年助成プロジェクト数及び助成金額が増加しましたが、平成15年度から平成18年度にかけては、安定的な事業の展開を図る観点から、概ね、助成事業数50プロジェクト、助成金額5億円の水準で事業が展開されてきました。
 しかしながら、地球温暖化をはじめ地球規模での生態環境問題に対する世界的な関心がますます高まるなか、折しも平成20年7月に開催される北海道洞爺湖サミットにおいても地球環境問題が主要議題となり、また、前年4月11日、中国国務院温家宝総理の日本公式訪問の際の「日中共同プレス発表」において「双方は、日中民間緑化協力委員会の活動を支持し、日本の民間団体などによる中国での植林協力事業を一層促進すること・・・・を確認した。」と記されました。
 更に、平成20年5月6日に日本国を公式訪問した中国国家主席と日本国内閣総理大臣との会談における「日中共同声明」を着実に実施するための「日中両政府の交流と協力の強化に関する共同プレス発表」においても「双方は、両政府間の森林・林業協力及び日中民間緑化協力委員会の着実な活動を積極的に評価する。」旨記されたことなどから、日中民間緑化協力委員会資金助成事業による植林緑化協力の拡大強化が焦眉の急となり、このため、日中民間緑化協力委員会第8回会合の実施方針を受け、平成19年度の植林緑化事業は61プロジェクト、6億1,000万円となり、以後、逐年植林緑化事業の規模は増大し、平成21年度の植林緑化事業は81プロジェクトにおいて展開され、助成金額は8億1,500万円となり、この10年間の総助成金額は49億円に上っています。
 これにより、この10年間における日中民間緑化協力委員会資金事業の実施省(自治区・特別市)は28省とほぼ中国全土に広がりました。
 
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助成プロジェクト数及び助成金額の推移
 
  
2.植林面積(累積)
  各年度の植林面積(累積)の推移についてみると、プロジェクト数及び助成金額の増大にともない、平成12年度の2,264haから平成21年度は41,745haとなり、平成12年度の植林面積の実に18倍強の面積となっております。
 41,745haの植林面積とは、東京都23区の面積の67%に当たり、また、産業活動として行われている我が国の平成20年度の総植林面積23,400haの約1.8倍となり、民間ベースの植林緑化協力としては、まさに膨大な面積を誇るものであり、植林緑化事業は、日中間の民間ベースの植林緑化協力の分野においてまさしく中核的な位置を占めるに至っております。
 
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植林面積(累計)の推移
 
  
3.プロジェクト数、日本側助成事業実施団体、中国側カウンターパート
  平成21年現在、植林緑化事業の実施中のプロジェクトは81プロジェクト、事業を終了したプロジェクトは77プロジェクトで、その総数は158プロジェクトにのぼりました。これらは、我が国の東京青年会議所等の青年団体、(社)日本中国友好協会等の友好団体、(特)世界の砂漠を緑で包む会等の環境NGO、(社)海外林業コンサルタンツ協会等の林業団体など多様な民間団体を通じて実施され、また、中国においてもこれら多様な日本側の助成事業実施団体に対応し、中華全国青年連合会、中国緑化基金会、人民対外友好協会等の友好団体、省・自治区・市及び県等の地方政府など幅広いカウンターパートが担い手となり、多様なプロジェクトを展開しています。
  
4.植林緑化事業による事業効果
  植林緑化事業による植林地は、中国の荒廃地の植生の回復や、水土流失防止、砂漠化防止等の面で地域社会における生活環境、生産環境の改善に大きく寄与しています。
 日中緑化交流基金による植林緑化事業では、初期の段階においても多くの受益者の存在が指摘されていたところですが、この10年間において造成された森林面積は41,745haを数えており、更に、多くの受益者を生み出しているものと考えられます。
 これらの植林地は、毎年良好な生長を続けており、今後、適切な保育・保護の実施により多様で健全な森林として成林することが確実視され、植林緑化事業による事業効果がいよいよ増大するものと期待されています。
  
5.植林緑化事業を通じた日中両国国民の交流
  近年、植林緑化事業の進展にともない、これを通じた日中両国国民の交流活動が活発になっています。平成21年度には、81プロジェクトのおよそ半数の44プロジェクトにおいて、日本から約1,300人が交流活動のために訪中、植樹や地元住民・学生等との交流などの諸活動を展開しました。
 なお、ボランティア植林では、中国ボランティア側から約21,000人が参加するなど、日中植林緑化協力の推進を象徴するものとなっています。
  
 この他、日中緑化協力記念林・日中緑化協力指標林の造成、少年児童絵画コンクールの実施、2007「日中文化・スポーツ交流年」及び「日中青少年友好交流年」活動への積極参加、四川川地震などの災害復旧への迅速対応、プロジェクト森林管理図簿の整備、現地巡回技術指導及び中国国家林業局による照査の実施等多面的な業務運営を展開しております。
 こうした日中緑化交流基金の業務運営は、前述したように日中両国政府及び日中民間緑化協力委員会からの高い評価と日中両国国民からの熱い支持をいただいております。

 

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