秋晴れの朝、今日は学校の外へ
前回、豊松小学校の子どもたちは鳥がどんな場所を使っているか、ということを調べてみました。その結果、野鳥は森林だけでなく人工物も使っていることやひとつの野鳥がいくつもの環境を使っていることなどがわかり、これまでと違った視点で観察することができて、新しい発見がありました。今回は、中でも鳥が一番よく使っていた場所である森林に注目して、どんな樹木を使っているか、そしてその樹木は何か、を調べることにしました。
観察日である10月10日前後は、ちょうど鳥の「渡り」の時期。いつもと違う鳥も観察することができるかもしれません。今日の観察地は、学校の外へ飛び出して、学校から歩いて20分くらいの王滝湖です。朝から気持ち良く晴れて、散策にはうってつけです。


鳥はどんなものを食べているのでしょうか?

何の鳥だろう?(教材提供:アーテック
昨日のうちに、鳥が木の実を食べにやってきそうな樹木にカードをぶらさげておきました。それをヒントに鳥が観察できるか、班ごとに行動開始です。と、いきなりヤマガラ発見。樹木に実が鈴なりになっていて、ヤマガラがしきりについばんでいます。道路にも割られた実がいっぱい落ちています。さて、この樹木は何でしょうか?樹木は後で調べることにして、ひとまず鳥の行動を記入しておきます。(記録用紙)1時間ほど観察した後、渓谷へ行った班、湖で観察した班、それぞれから、カワセミを見た、オオルリの巣を見つけた、ホオジロやシジュウカラが樹木に止まっていた、という報告が次々と集まってきました。


手がかりを探せ!樹木のサンプリング
鳥の観察の後は、鳥が使っていた樹木を調べます。鳥にはくわしい子どもたちですが、樹木は鳥のようにはすらすらといきません。そこで、樹木のサンプルをいくつか採取して、学校の図鑑で調べることにします。樹木のサンプルは、まず葉。葉は向かい合わせにつくもの、互いちがいにつくものがありますので、つき方がわかる最小の大きさで枝から切ります。次に実。フィルムケースなどに入れてつぶれたりしないようにします。最後に樹皮。しかし、樹皮をはがすわけにはいきませんので、樹拓をとります。樹皮に半紙をあてて、5Bや6Bのやわらかい鉛筆でこすると模様が半紙にうつります。手がかりが多いほど、図鑑で調べる時に役立ちます。樹木を傷つけない範囲で、学習に必要なサンプルの採取法がわかりました。しかし、貴重な植物が保護されている地域のように、場所によっては採取が禁じられていることもあると講師の先生からお話がありました。いつもは比較的自由のきく校内での観察学習ですが、このような校外での活動を利用して、観察マナーもしっかりと身に付けていきます。

樹拓を採取中。


この木、なんの木?
さて、持ち帰ったサンプルをくわしく見ていきます。葉のかたち、葉のつきかた、葉のふち、さわった感じなどを手がかりに、虫めがねを使って、ていねいに見ていきます。じっくりと眺めてみると、種類によって葉の形ひとつとっても、ずいぶんと違うもんだと子どもたちは感心している様子。それを図鑑とにらめっこしながらたどっていくのは、観察というよりも謎ときのようで、「こっちの葉が似てる」「いや実が違うから、こっちだよ」と班ごとになかなか盛り上がっています。どの班もいくつもの図鑑を使って、自分たちが選んだ樹木の名前を知ることができました。ヤマガラがエサをとっていた樹木も「エゴノキ」だとわかりました。最後に講師の先生から、鳥は樹木からエサとなる実をもらい、樹木は鳥に実を提供して種を運んでもらっているというお話を聞き、鳥と樹木の関係について、よりいっそう興味を深めたのでした。
これまで、自然について考える時、鳥を軸にしていましたが、樹木という視点が新に加わり、いろいろな生き物との関係が見えてきたのではないでしょうか。そして、注意深く観察することにより、新しいことに気付く、発見する、ということを楽しむことができました。そして何より短い時間で、知りたいこと、確かめたいことなど、次の課題を子どもたち自身がどんどん見つけ始めたことに驚かされました。

(教材提供:アーテック
みんなで協議中


DATAキャラクター 参考資料目録

今回の実践を実際どのように行なったのか、資料を公開しますので、参考にしてください。

タイムスケジュール(Excel)
資料(PDF)
・Windowsの方はこちら(19k)
・Macintoshの方はこちら(152k)
・野鳥の観察記録用紙(4k)

※タイムスケジュールは圧縮ファイルになっておりますがダブルクリックで解凍されます。


豊松小学校 北河伸太良
葉をヒントに樹木のなまえをしらべる