木でできた桶(おけ)や樽(たる)は、使い方や使う分野(ぶんや)によって、寿命が大きくかわります。一般的には、みそをつくるときに使う桶は30年から100年、しょうゆの場合は50年から150年ぐらいというように、とても長い寿命をもっています。さらに、ある分野で使えなくなっても、他の分野でふたたび利用されることもあります。たとえば、お酒をつくるときに使う桶は15年ほどすると、木の性質(せいしつ)がかわり、しだいに中に入れているお酒が少しずつ発散(はっさん)しやすくなります。そのため今度は、しょうゆやみそなどを入れる容器(ようき)として使われます。同じように樽もお酒用として利用した後、しょうゆ用などに利用されます。木材は年月とともに性質が変わるという特ちょうがありますが、桶や樽はそれをうまくいかして長い間利用されます。


しょうゆを作るときに使う樽。長い年月の間、使いこまれています。
提供:桑田醤油醸造場