木の幹(みき)をたてに切ると、切る場所によって見た目の模様(もよう)が異なります。平行(へいこう)に線がならんでいる面をまさ目、カーブのある線がならんでいる面を板目(いため)と言います。まさ目と板目では性質が異なります。桶(おけ)や樽(たる)は中に入れるものによって、板目とまさ目を使い分けています。すしをつくる時に使う半切(はんぎ)りや炊(た)いたごはんを釜(かま)からうつすおひつなどの桶は、まさ目の板を使います。まさ目は水分を吸いやすいという性質があります。そのため、中にごはんを入れた時に、ごはんの余分(よぶん)な水分を桶が吸い、ごはんがべとつかないのでおいしく食べることができるからです。いっぽう、酒やしょうゆなどを入れる樽には、板目を使っています。板目は水がもれにくいという性質があり、中に入れたものがしみ出さないようにするためです。


a.中心でたてに切った面(まさ目)
b.中心からずらしてたてに切った面(板目)
イチイ材のまさ目 イチイ材の板目
提供:中川木材産業株式会社