未  縄文時代の気候と豊かなくらし


三内丸山(さんないまるやま)の縄文のムラをとりかこんでいたのは落葉広葉樹の森。ナラやクリなど木の実がとれる豊かな森です。秋になると紅葉(こうよう)し、やがて葉が落ち、冬はシカやウサギなどを狩(か)るのに適(てき)していました。なかでも主食になったクリは、500人以上もの食べ物を確保(かくほ)するために栽培(さいばい)していたと考えられます。“うるし”も利用していました。三内丸山遺跡からはうるしぬりの漆器(しっき)が見つかり、縄文人がうるしの木から樹液(じゅえき)をとり木製(もくせい)の器(うつわ)にぬる、という技術を持っていたことがわかりました。もちろん建物の柱も木材です。三内丸山では、クリの木の柱が建っていた大きな穴(あな)が6つ見つかっています。


遺跡からクリの木の柱の根元の部分がみつかりました。なぜ、くさらなかったのでしょう。それは、この根元の部分が埋(う)まっていたところが水に浸っていて空気にふれなかったからです。