法隆寺を支え続けてきたのは、ヒノキです。ヒノキは水や虫に強く腐りにくいので、建築材としてもっともすぐれていると言われています。また、木目がまっすぐで加工がしやすいのも特ちょうです。法隆寺が建てられた時代には、まだ大鋸(おが)や台カンナはありませんでした。切り倒した木を板や柱にするには、オノやクサビで木を割って、チョウナやヤリガンナで木をけずっていました。加工がしやすく、じょうぶなヒノキのよさを昔の人は知っていたのでしょう。ヒノキは日本の建築物、特に神社仏閣(じんじゃぶっかく)には欠かせない存在です。現代でもその強さに加えて、香りのよさなどから、住宅に使われる材として人気があります。