銀閣寺は、建物だけでなく、木、石、砂、苔(こけ)、水が美しく配された庭にも義政の風流(ふうりゅう)を愛したこころをみることができます。第8代将軍足利義政は、応仁(おうにん)文明(ぶんめい)の乱という京都を焼きつくすほどの内乱が続くなか、政治に絶望(ぜつぼう)し、自分の趣味、つまり芸術や学問の世界へ没頭(ぼっとう)していきました。政治家としての評価はともかく東山殿を中心に茶の湯、花、書画、和歌、能楽など、今に残る日本文化の多くの分野に成果をあげたとされ、これを東山文化と呼んでいます。

都林泉名勝図会