日本間といえば畳敷(たたみじき)と床の間(とこのま)、そして障子(しょうじ)やふすまなどの取りはずしが自由自在な建具(たてぐ)があげられます。その原型が中世から近世に生まれた書院造と呼ばれる形式です。それ以前、平安時代の寝殿造(しんでんづくり)では、板の間の必要なところだけに畳をざぶとんのように置いて使っていました。また仕切りは屏風(びょうぶ)などでした。したがって、今に残る伝統的な和室が確立(かくりつ)していくのは、中世以降、鎌倉から室町時代にかけてなのです。銀閣寺にある同仁斎(どうじんさい)には書院造の形式が残され、また、後に発達した茶の湯文化とも関連があるといわれています。
障子から入る柔(やわ)らかな光、季節の花が似合う違い棚、自然と一体化したような空間に、日本文化の心を感じることができます。


寝殿造

書院造