合掌(がっしょう)づくりの60度という急な傾斜(けいしゃ)のぶ厚いカヤぶき屋根は、外の熱を通さず夏が涼(すず)しく、また冬の雪の重みに耐(た)えるという特ちょうがあります。しかし、30〜40年に1度くらいの割合でふきかえる必要があり、白川村では毎年2、3軒の屋根がふきかえられます。屋根をふく材料であるカヤは、ススキ、カリヤスなどのイネ科の植物のことで、毎年秋に刈(か)りとり、たくわえておきます。ふきかえ時には、多くの村人が手伝い、1日で作業を終えます。そして何十トンという重さのカヤがふきかえられ、古いカヤは肥料として大地へもどされます。白川村では合掌づくりの美しさを維持(いじ)、保存(ほぞん)するために“結(ゆい)”という組織をつくって努力しています。