募金達成額 5月31日現在
450,000円
募金目標額
450,000円

応援ありがとうございました

離島社会存続に向けた水源林の整備と活用 ~天売島応援プロジェクト~

sdgs6.清潔な水と衛生 sdgs11.持続可能なまちと地域社会 sdgs15.陸のいのちを守ること

プロジェクトNo.sdgs1-0202

プロジェクト概要

メッセージ

本プロジェクトの舞台は、北海道の日本海側に浮かぶ海鳥の島、天売島です。豊かな生態系サービスを与えてくれる島社会が存続の危機を迎えています。その要因の一つである水源の枯渇を防ぐため、水源林整備への皆様のご寄付・協働をお願いします。

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事業の背景・目的

天売島では、第二次世界大戦後のエネルギー不足や畑の開墾により、大半の森林が失われ、裸の島となり、水不足が深刻になりました。そこで、水源林整備事業による植林と地下水開発が行われ、水不足が一時解消しました。しかし、最近、単一樹種の水源林の手入れが遅れ、強風等で倒れる木が多くなっています。

この問題を放置すれば、水源が枯渇し、世界的な海鳥の繁殖地であり、私たちにアマエビやウニなどの豊かな生態系サービスをもたらしてくれる天売島の島社会を存続できなくなります。私たちは、この事業を「天売島応援プロジェクト」と名付け、皆様の支援を基に水源林の整備と活用を行い、離島社会の存続に寄与したいと考えています。

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事業の内容

a.単一樹種の過密人工林を生物多様性の高い混交林に変換
これまで造成された森は、針葉樹単一樹種の過密林となっており、台風等の強風による風倒も発生しています。このような森を生物多様性に富み、持続性の高い森に転換した先進事例とて、スイスの育成木施業があります。当協会は、この方法を10年以前から導入試行しており、天売島でも実施します。また、小さな島の森への負荷の少ない手入れを実現するため、馬で伐採木を運搬する馬搬を行います。

b.生物多様性の高く、持続性のある混交林の再生
これまで水源林整備事業により、裸の島に森は再生されました。しかし、木材生産のための森づくりと同じ技術が使われており、植栽された苗も、島外からもちこまれたもので、生物多様性に欠け、持続性のないものでした。そこで、目標の設定、採種から始まる一連の混交林造成過程を一つのシステムとした生態学的混播・混植法を導入し、生物多様性の高く持続性のある混交林を再生します。

c.手入れで出る木材による景観に合った木造施設の建設
島での住宅や公共施設の建設は、島外から資材を持ち込み、島外の技術者に頼るため、コストも北海道本島の2倍程度になり、かつ、景観を生かしたものになっていません。そこで、水源林の手入れで発生する島の木材を利用し、簡易製材を持ち込み、風土に合った建築を目指す建築家の設計に基づき、体験型観光のためのシーカヤックの艇庫を建設します。

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  • 募金の用途
    天売島では人口の減少と高齢化が進み、島の人たちは、本プロジェクトに多くの時間は割けません。また、プロジェクトは、伐採や建設などの専門技術を持った方々の活動が不可欠です。一方、将来を担う森林科学を学ぶ学生に現場の問題を見せることも重要と考えています。そこで、頂いた資金は、技術者や学生の渡航費、宿泊費、謝金等に使わせていただく予定です。
  • SDGs 達成への貢献の具体的内容
    本プロジェクトは、下記の目標とターゲットの達成を目指しています。
    目標6 安全な水とトイレを世界中に(6.6水に関連する生態系の保護・回復)、
    目標11 住み続けられるまちづくりを(11.14自然遺産の保護・保全)、
    目標15 陸の豊かさも守ろう(15.1陸域生態系と内陸淡水生態系及びそれらのサービスの保全、回復及び持続可能な利用を確保、15.2新規植林及び再植林を大幅に増加、15.4生物多様性を含む山地生態系の保全)
  • 募金者の活動参加
    募金していただいた方々の現地での活動参加は、植栽など危険の無いものをお願いしたいと考えています。しかし、交通の便が悪く、予定の変更の可能性が高いことを承知いただき、島への渡航や宿の確保および費用は各自にお願いしたいと考えています。
  • 事業開始後の定期報告の予定
    事業の実施状況については、下記のFaceBookにより随時お知らせする予定です。
    https://www.facebook.com/ezohiguma

団体

特定非営利活動法人 近自然森づくり協会

団体紹介

団体設立の目的

スイスで開発されている近自然森づくりの紹介・実践と、無立木地を対象とした生物多様性の高い混交林の再生法である生態学的混播・混植法の開発・実践を通して、環境と林業経営の両立を実現し、人間社会の持続的な豊かさに寄与することを目的としています。

事業内容

環境と林業経営の両立を実現しているスイスの現場フォレスターを招聘し、日本各地で環境と経済の両面から持続可能な林業の方向性について、セミナーやワークショップを開催しています。

もう一つの活動は、ダムなど人間の活動で森が失われたところに、生物多様性の高い森を再生するものです。このため、1991年から工事で失われたと考えられる多種の樹木からなる混交林の再生法としての生態学的混播・混植法の開発を続けています。現場での様々な課題に対応するため、毎年バージョンアップを行ってきました。

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これまでの取り組みによる成果

  1. 近自然森づくり
    2010年から毎年現場フォレスターであるロルフ・シュトリッカー氏を招聘し、2019年には、彼の下で働く若い森林作業員も招聘し、早来町や池田町で卓越した森林作業技術を披露してもらいました。これ等の研修の成果を生かし、最近では、平取町でのアイヌ文化振興のための「イオル型恒続林~コタンコロカムイ(シマフクロウ)の森づくり~」の造成に取り組んでいます。
  2. 生態学的混播・混植による混交林の再生
    1991年からこの活動を開始し、北海道の大河である石狩川での「一人一本300万本植樹運動」のモデル植樹や十勝川の「治水の杜づくり」に採用され、地域の遺伝子を持った多種の在来種からなる混交林を再生してきました。最近では、平取町でのアイヌ文化振興のための、林内の無立木地を対象に、エゾシカの食害で被害の大きいアトゥウシの材料となるオヒョウの多い混交林造成に取り組んでいます。
  3. 手入れで発生する木材の有効利用
    近自然森づくりによる森の手入れで発生する木材を有効利用するため、天売島では、馬搬で引き出した丸太を簡易製材機で製材し、キャンプ場にサウナ付きシャワー小屋や洗い場を建設してきました。設計は、風土に関心のある建築家が担当し、木造建築の技術者が建設を担当し、島の方々の要望に応えてきました。

 

 

関連画像

馬搬で活躍するばん馬
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専門学生による選木マーキング
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事業関連資料

事業計画書.pdf

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